Tommy Emmanuel
Special Interview

2019年5月「アコギの神様」トミー・エマニュエルによる来日ツアーが
東京・名古屋・大阪の3都市にて開催されました。
『フィンガーピッキングの達人』と称される世界最高峰のアコースティックギタリスト。
毎年300回以上のライブをこなす超多忙な彼が
私たちのために彼が愛用するAERアンプについて語っていただきました!

「チェット・アトキンスのプレイをラジオで聞いた瞬間、こういうプレイがしたい!と自分の中で決心がついた。」


────お忙しいところ貴重なお時間を頂きありがとうございます!今回はブルーノート公演ですが今の心境はいかがですか?

Tommy Emmanuel(以下T):これまで何度も来日公演を果たしてきたけど、実はブルーノートは初めてなんだ。とても素敵なステージでこんな素晴らしい場所で演奏するのがホント楽しみだね。(インタビューは1stステージ前に行いました。)

────そうなんですか?!それは楽しみですね!何度も来日公演を果たしておりますが、好きな日本人アーティストはいますか?

T:何人かいますね、渡辺香津美さんが好きで、特にリー・リトナーとのセッションライブは素晴らしかったね。10年くらい前の来日公演で来日公演で彼と一緒にツアーをしたことがあって、彼とセッションできたのは本当に名誉なことだと思ってる。あとは押尾コータローのラジオ番組に出演したことがあって、その時彼が僕のギタープレイを見に来たことがあったよ。彼も素晴らしいギタリストだと思う。

────数多くのファンがあなたのギタープレイに魅かれていますがその魅力的なギターのルーツについて教えてください。

T:そもそもギターは4歳の頃から始めて、兄のフィルが弾くギターリズムをきっかけにリードプレイヤーに興味を持ったんだ。その後、7,8歳の頃にラジオでチェット・アトキンスのプレイをラジオで聞いた瞬間、こういうプレイがしたい!と自分の中で決心がついた。そんな中、兄弟と数多くのコンテストに出場して優勝したりしたこともあった。海外ツアーを始めたのは1961年からだから僕はちゃんとした仕事はしたことないんだよね。笑


「このストレートでフラットな状態が一番良い音だよ。」

────名古屋公演も大変盛り上がりましたが、どんな練習すればそんな素晴らしいサウンドを出せるのでしょうか?

T:このサウンドを出すにはサウンドマネージャー、スティーブが欠かせない。自分がまだ若かった頃は機材運搬やセッティングなど、すべて自分一人でこなしていたんだけど、スティーブを雇ってからすべて彼に任して自分の必要なものだけ用意している。僕は彼と毎年300回以上ライブをこなす日々を過ごしているんだけど常にぼくの出したいサウンドを把握してアレンジしてくれる最も重要なパートナーなんだ。

────よろしければ具体的なセッティングを教えて頂けますか?

T:まずAERのPocket Toolを用意して、2シグナルのダイレクトサウンドをPAに送ってからCompact60から音を出してる。使ってるのは2シグナルとダイレクトアンプ、イコライザーは使わずすべてフラットの状態だ。このストレートでフラットな状態が一番良い音だよ。

────とてもシンプルですね!あなたがプレイするハーモニクスについてお伺いしても良いですか?

T:ハーモニクスはチェット・アトキンスの奏法をずっと真似してたね、あのハーモニクスはマイクロフォンをoffにしてミドルレンジを上げて演奏してる。実はこれが最も自然でバランスの良いハーモニクスサウンドを出せるんだ。でもこれはものすごく難しくて正確に弾かないとなかなかこんな良い音がでないんだ。

────どんなハンドケアをしてますか?

T:ん~、手に関しては特別なケアはしてないかな、、、しいて言うなら冬は手が冷えるから手袋使うくらいかな。(笑)あとは爪がギターに向いてないから弾く時は指で弾いてるね。リスナーから爪で弾いてると思ってるけどあの音は指だから表現できるんだ。


「初めてCompact60を試した瞬間「これこそアンプだ!」と確信した。」

────数多くあるアンプの中でAERを選んだ理由はなんですか?

T:MATONギターの人からAERを薦められたことがきっかけですね。80年代の頃にAERを初めて試した瞬間どのアンプよりも素晴らしいと思ったんだけど、その当時試したモデルはAcousticubeっていうモデルでエフェクト機能が多かった。そこで僕は数種類のリバーヴだけを搭載したシンプルなモデルは造れないかと頼んでみた結果、誕生したのがComapct 60/3なんだ。

────そうなんですか?!正にTommyさんのために生まれたモデルなのですね!

T:その通り!その当時、僕は「こんなに色々なエフェクトが入っても使わない!リバーヴだけで良い!」と熱く語ったよ。そして初めてCompact60を試した瞬間「これこそアンプだ!」と確信した。もちろん、現行モデルは当時のモデルよりも音が向上してる他、ナチュラルで余分な倍音がないからお薦めだ。

────最後にギターを始める人にアドバイスやメッセージをお願いします!

T:まず、教則のビデオや本はやっていく内に飽きてくるからお勧めしない。簡単な曲でいいのでまずは弾いてみたい曲を探すこと、みつけたらそれ繰り返し練習することをお薦めする。好きな曲を反復練習することがうまくなる近道なんだ。

────なるほど!大変勉強になります!今日はお忙しい中ありがとございました!


Tommy Emmanuel プロフィール

4歳からギターを始め、7歳の頃から兄弟でバンドを組んで数多くのコンテストに出場。 10歳の頃からプロデビューを果たす。 グラミー賞に2回ノミネートされた『フィンガーピッキングの達人』として有名になる。 今までに、チェット・アトキンス、レス・ポール、エリック・クラプトンなど数々の有名なギタリストと共演を果たす。

Tommy Emmanuel公式サイト
https://tommyemmanuel.com