【MUSIC NOMAD完全ガイド vol.3】ナットの高さ調整編
ギターのナット高 完全ガイド
— エレキ・アコギ・ベース・クラシックギター対応 —
- セクション1:ギターナットの高さ & ナットハイトゲージ
- セクション2:ナット溝の調整・削り
- セクション3:よくある質問とトラブル
セクション1:ギターナットの高さ & ナットハイトゲージ
🟠ナットの高さはなぜ重要なのか?
ナット部分での弦高は、ギターの弾き心地やサウンドに大きく影響する非常に重要な要素です。
ナットは一般的に、ボーン(牛骨)、プラスチック、ブラス、グラファイトなどで作られます。
- イントネーション(特に低音域)への影響
- 押弦のしやすさ(演奏性)
- チューニングの安定性
ナット高が低すぎると 開放弦でビビる ことがあります。
逆に高すぎると 押さえにくくなり、1フレットを押える時に音程がシャープする などの問題が出ます。
🟠いつナット高をチェックすべき?
次のような場合にナット高を確認しましょう:
- 開放弦がビビる
- イントネーションが合わない
- 弦高が高すぎる/低すぎる
- 弦高を調整した後
- 季節や湿度の変化後
🟠ナット高を測る前に必要なセットアップ手順は?
MusicNomad の「K.I.S.S(KEEP IT SIMPLE, SETUP)」では、
ナット高のチェックは 4番目のステップ です。
- トラスロッド調整
- 弦高調整
- 指板アール(半径)の調整
- ナット高の計測 ←これ
🟠ナット高の測定・調整に必要な工具
ナットハイトゲージ
1フレットと弦の距離を正確に測るため。エレキ・アコギ・クラシック・ベースに対応。
ナットファイル(できればダイヤモンドコーティング)
精密で滑らかに切れる必要がある。
MusicNomad のファイルは溝の切削と研磨を同時に行え、一般的なやすりよりズレにくい。
🟠ナット高の測り方
- 適切な厚みのゲージを選ぶ(推奨値は後述)。
- ギターを演奏ポジションに構え、チューニングを合わせる。
- 1フレットと弦の間にゲージを差し込む(エレキの場合は6弦から)。
👨⚖️判定方法:
ゲージが弦とフレットどちらにも触れない → 高すぎる → 溝を深くする必要あり
ゲージが弦とフレットに強く触れる → 低すぎる
※ビビらないならそのままでも可
もし完全に当たっていて開放弦がビビる場合、
ナットの底にシムを入れる、溝を埋める、ナット交換 が必要になります。
ゲージを当てて、
フレット上に置いたゲージが弦とちょうど触れる状態 → 正しい高さ
全弦(6弦→1弦)で同様に測定。
アコギ・ベース・クラシックも手順は同じです。
🟠ナット高の推奨値
| エレキ / アコースティック | 6弦 & 5弦:0.020″(0.50mm) 4弦 & 3弦:0.018″(0.45mm) 2弦 & 1弦:0.016″(0.40mm) |
| ベース | ベース E & A:0.020″(0.50mm) D & G:0.018″(0.45mm) |
| クラシックギター | 6弦 & 3弦:0.020″(0.50mm) 5弦 & 2弦:0.018″(0.45mm) 4弦 & 1弦:0.016″(0.40mm) |
🟠ピッキングが強い/弱い場合の調整
| 強いピッキング | 6弦・5弦:0.022″ 4弦・3弦:0.020″ 2弦・1弦:0.018″ |
| 弱いピッキング | 6弦・5弦:0.018″ 4弦・3弦:0.016″ 2弦・1弦:0.014″ |
🟠弦のゲージを知る方法
- デジタルノギスまたはマイクロメーターで測定可能
- 楽器店・リペアマンに聞いてもOK
- 弦交換時にパッケージを保管しておくのが最も確実
セクション2:ナット溝の調整(削り)
🟠良いナットファイルを選ぶポイント
- 握りやすいハンドル(誤って指板を削るリスク低減)
- ダイヤモンドコーティング
- 切削と研磨を同時に行う
- 溝からズレにくい
- 弦の太さに合ったサイズが必要
- 大きすぎる → 溝が広がりすぎて弦がガタつきビビりの原因
- 小さすぎる → 溝が狭くなりチューニング不安定
🟠各弦に使用すべきナットファイルサイズ
基本ルール:
弦の太さと同じ、または最大 0.003–0.004″ 大きいファイルを使用
(ベースは最大 0.005″ まで可)
例:
.026″ の弦 → .028″ のファイル
.011″ の弦 → .013″ のファイル
.080″ の弦 → .085″ のファイル
🟠ナット溝の調整手順
- 弦を緩め、溝から持ち上げる
- 適切なサイズのファイルで前後に軽く動かし削る
- 必要に応じて繰り返す
- 溝の底に鉛筆で色をつけると削れている部分がわかりやすい
- 仕上げに潤滑剤(MusicNomad TUNE-ITなど)を塗布
🟠ロック式ナットの調整
ロックナットは溝を個別に削れないので:
低くしたい → ナット底面を削る
高くしたい → シムを挟む
ただし、弦ごとに細かく調整できないため
「少し高い/低い弦がある」程度は許容範囲。
手順(要約)
- 弦を緩め、ナットを外す
- シムの有無を確認
- 必要なら底を削る or シムを追加
- 再取り付け・再チューニング・再測定
セクション3:よくある質問と問題
🟠ナット高が低すぎると?
- 開放弦がビビる
- イントネーション悪化
🟠ナット高を上げる方法
- リペアショップに依頼する
- Music City Bridge の Nut Rescue Kit(補修粉) を使う
Nut Rescue Kit(補修粉) は、白・クリーム・黒の3色でナットと色合わせが可能です。
使い方(要約):
- 溝を軽く整える
- カッターで軽く溝に傷を入れる
- 補修粉を入れる
- 薄い瞬間接着剤を一滴
- 高さをファイルで整える
🟠ピッキングの強さでナット高は変えるべき?
強い → 高めに設定(ビビり防止)
弱い → 低めに設定(弾きやすくなる)
MusicNomad のゲージには、強弱に応じたゲージも付属。
🟠溝が狭すぎると?
- 「ピンッ」という音(バインディング)
- チューニングが不安定
→ 溝を少し広げる必要あり(後述の方法)
🟠ナット溝を広げる方法(ファイルローリング)
ファイルを溝に沿わせ、
片側の壁に軽く押し当てながら少しだけ回転させる
反対側も同様に
注意:深く削らないように底に達したら止めること
過剰に広げないよう注意
仕上げに潤滑剤を塗布
🟠ナットを削った後、弦高(サドル側)を再チェックすべき?
必要なし。
K.I.S.S 手順に従えば、後戻りする工程は発生しません。
🟠正しいギターセットアップ手順(要点)
楽器の種類ごとに適切な順序がありますが、
MusicNomad の K.I.S.S(Keep It Simple Setup) に基づく以下の順番が推奨されます:
- ネック relief 調整
- 弦高調整
- 指板アール調整
- ナット高のチェック
- イントネーション調整