横田明紀男 × MD-MM Produce & Godin Guitars

MD-MM Produce、Godin Guitars製品をご使用いただいている 横田明紀男さんから、コメントを頂きました!

MD-Premier G1-Reborn BSB のコメント

初っ端から僕の思い出話です。

「真夜中のドア」という曲をヒットさせ 2004 年に亡くなってしまった、シンガーの松原みきさん。発売当初ラジオの深夜番組で流れていました。半分寝ながら聴いていた僕はエンディングのギターソロを聞いて眠れなくなりました。

今思えば、それが松原正樹さんのプレイを胸に刻んだ瞬間でした。生前の松原正樹さんとは、1 度だけお会いしました。どこかのリハーサルスタジオでした。5 分ほどでしたが、とてもにこやかに話をしてくれたのが印象的です。

これまで僕は人の名前を冠したモデルを買う事をあえて避けていました。何故かと言うと、どうしてもその人のプレイに引きずられてしまいそうになるのではないかと思っていたからです。

しかし、このモデルがここ何年か、僕が求めていた335とストラトの良いとこ取りのギターなのでは?と思い始めネットで調べ始めました。

調べれば調べるほど興味が湧き、「買っちゃおうかなぁ?」と、ほぼほぼ決断したその日になんと、レッスンの生徒さんがそのギターを持って、僕の自宅にやってきました。

めまいがするような偶然にドキドキしながら、生徒さんに「ちょっと触らせて!」と言ってギターを持たしてもらいました。ネックを手にしたその瞬間 「買う!」という決断を下したのは言うまでもありません。

キクタニミュージックさんを紹介してもらい、若干のパーツ交換をお願いして1 ヵ月ほど後にギターを手にしました。

ギターの構造や素材、パーツ等について語りながら、ギターの良さを説明すると言うのは僕にはできません。何故かと言うと、ギターを始めて 54 年間、ギターを買う理由はすべて「ネックを持った瞬間にそのギターが僕を受け入れてくれるか跳ね返されるか」だからです。

しかし、これではあまりにも説明にならないので、自分のわかる範囲で、このギターの良さを皆さんにご紹介したいと思います。

僕の 1 番気に入っている点はもちろん音です。フロントハムバッキングのマイクは、低音から高音までしっかりと絶妙な空気感のある音で演奏者の意図を伝えてくれます。右手の細かいニュアンスや右手で弦をミュートした瞬間の小さいけれど、オーディエンスに聞かせたいゴースト音。左手の微妙なビブラートなどをびっくりするほど華麗に表現してくれます。

5 段階のセレクタースイッチはとても便利です。1 番手前がネック側のハム。2 番目がネック側のタップしたシングル。3 番目がハム 2 つの直列。4 番目がリア側のタップしたシングル。5 番目がリアのハム。ミニトルグ Switch 操作でもう 1 種類音が加わります。僕はフロントとリアのシングルコイルを使ったハーフトーンにしてもらいました。

通常はフロントとリアのシングルコイルの直列だそうです。これだけの音のバリエーションがあればどんなジャンルの音楽に対しても、ひるむことなく立ち向かえるのではないでしょうか?

もちろんリア側のハムバッキングマイクもクリアで艶のある音を出してくれます。 クランチからハイゲインまでイメージ通りの音を出してくれます。

僕がこのギターを買おうと決めた大きな理由の 1 つにアームがついていることが挙げられます。

ジャズギタリストがアームを使うと言う事は通常ほぼないのですが、僕はクランチの音でジャズのスタンダードをソロギターで弾くことがあるので、どうしてもアームが欲しかったのです。そして、そのアームはチューニングが狂わないということが大事でした。僕のセッティングは、ほんの少しだけフローティングにしているのですが、チューニングの狂いはありません。(もちろん自分でできる範囲の調整はしました)

そして、このギターの大きな特徴である 0 フレットはやはり効果が絶大です。

0フレットの事は以前から知っていましたが、こんなに音がクリアになるとは思いませんでした。正直な感想は「やはり理にかなっているな!」と言うところでしょうか?ぜひ弾いてみて実感していただきたい感覚です。

そして、ボディーの形状から来るストレスのない弾きやすさ。特にハイポジションの弾きやすさは絶品です。この感覚も、ぜひ弾いて、味わってもらいたい感覚です。

おそらく人生で最後のギターになるのではないかな?そんな予感がしています。

5th Avenue CW Kingpin II HB Cognac Burst のコメント

フルアコースティックのギターとしては、若干小ぶりなボディー。そしてハウリングがないということが使い勝手の良さでしょう。

生音はスレンダーな音に聞こえますが、アンプから出てくる音はフルアコースティックのリッチな音です。いろいろな有名メーカーのフルアコースティックギターを弾いてきましたが、なかなか言うことを聞いてくれないギターが多い中でこのギターは EQ しやすいし、出音の調整がとても楽です。

(実はフルアコースティックギターと言うのは、構造上ハウリングがとても問題になったり、ミッドレンジの処理、がとても難しかったり大変なのです)

スタジオレコーディングでフルアコースティックと言うオーダーが来たときには、必ずこのギターを使い全く問題のないレコーディングが可能です。

僕は左手の握力が弱いので、弦は 010〜046 を使っていますが、出音の細さは感じません。他のメーカーのフルアコースティックに比べると、表面板が若干薄いので、音はクリアで速いです。

サウンドメイキングのやりやすさは、ここから来てるのかもしれません。空間系のエフェクターの乗りも良いです。

人生を共にするにふさわしいギターです。

Profile

Jazz Guitarist。

21 歳、アルバム「DAY BY DAY」でレコードデビュー。 27 歳、自身のリーダーアルバム「MY ROMANCE」「MISTY2」を発表。

2001 年、Fried Pride としてデビュー。

日本人初の米国コンコード・レーベルから アルバム「Fried Pride」をリリースし、Swing Journal 誌ゴールドディスク賞を受賞する。 以来、11 枚のアルバムをリリース。

これまでに米国ニューヨーク・ブルーノートをはじめ、 国内外で数多くのライブ活動を行う。

2016 年、Fried Pride を解散し、ソロギタリストとしてドイツ、フランス、 ロサンジェルスにてライブを行いソロ活動を開始、驚愕の 1 人ビッグバンドと称される。

2016 年、ソロアルバム「YOKOTA」「JUMP OUT!」を 2 枚同時発売。

2017 年ソロ&デュオアルバム「Love at Christmas」

2018 年ソロアルバム「THE SOLO」「Dreamer」 2 枚同時発売

2020 年ソロアルバム「My way」

2022 年 「Ignition」Solo Guitar& Duo

2024 年「Classics」 と精力的にリリース。

雑誌「ギターマガジン」「アコースティックギターマガジン」「アコースティックギターブック」「ジャズギターマガジン」等に次々と特集される。 ホールでのソロコンサートや、サロン、ライブハウスでの「横田明紀男 Solo Guitar &Duo 」 シリーズ、オペラ歌手やダンスとのコラボゲスト、レコーディング、

横田明紀男ギタートリオ等、 国内外で活躍中

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