TONEISM Pickups 代表 岩撫安彦氏スペシャルインタビュー

TONEISM Pickups 代表 岩撫安彦氏にお話を伺いました。ピックアップ製作への想い、オリジナルP.A.F.への考え、ご自身が追及するものなど、多岐に渡る質問にお答え頂きました。ギター業界のレジェンドである岩撫氏のロングインタビューをお楽しみください!


岩撫氏: 一言でいえば、世の中に “いい音”をもっと増やしたい、と思ったからです。 失われてまだ戻らない、足りない音がある、自分にはその音がわかり、それを作りだす事ができる、そしてそれを未来につなげる事ができる、という思いが強くなったからです。
音楽はいろいろな意味でポジティブな力をあたえてくれるものだ、とわたしはずっと思っています。自分も音楽が好きで、音楽のおかげで日本ばかりではなく国境をこえて多くの人とつながる事も出来ました。音楽には力をもらい、癒されもしました。そういう思いですから、今までに携わってきた仕事はどれも“いい音を増やす・広める”仕事でした。
ピックアップに関する仕事は今までに何回かいろいろな形で手掛けています。ビンテージ・ギターをメインにリペア・リストアの仕事をしていたのは80年代のことですが、その一環としてその頃からピックアップも研究していました。その後ギター製作に集中していた時期もそうですし、前後して海外メーカーの企画や設計のサポートをした事も何回かあります。
その中で、ピックアップは単なるパーツではなくて、ギターという楽器の中でそれ自体が主張をもっているもう一つの楽器である、という認識を深めていきました。

ピックアップは、ギター本体と呼応しながら生み出すトーンニュアンスや、タッチレスポンスでプレイヤーのプレイにダイレクトに影響を与えます。わたし自身ロックの誕生とほぼ同時にギターを弾き始め、ブリティッシュ・ロックの先鋭、ジェフ・ベック、ジミ―・ペイジ、エリック・クラプトン、ピーター・グリーン、ポール・コゾフなどをはじめとする多くのギタリストのプレイを聞き込みました。USA勢ではマイク・ブルームフィールド、ビリー・ギボンズ,デュアン・オールマン、ディッキー・ベッツ等です。彼らのプレイを通じて、またそれを学ぼうと自分がギターを弾くたびに、ピックアップの存在と影響は強く感じました。
リペア・リストアからギター製作に専念した時期には、多くの試行錯誤のなかでボディ・ネックとピックアップの呼応関係をさらに深く理解し、これらが最高のレベルで組み合わされたとき、初めて最高の楽器が完成するのだという事を確信しました。
ピックアップづくりに専念する、というのは、最初に言った“世の中にいい音をもっと増やしたい”という気持ちの中でずっと考えていた事です。部分的には完成していましたが、全体としては足りない部分があり、それを整理、まとめる時間が必要でした。数年前にその機会が生まれ、それまでの研究をまとめる時間がようやくとれたので、ピックアップづくりに専念することにしました。
始めた理由の一つにはビンテージ・ピックアップが枯渇、希少化が進んでしまったということもあります。そもそも数が限られているのは当然のことで、リプレースメントのコンセプトが無かった1950年代当時のピックアップはギターに搭載されたものしかありませんでした。 ビンテージ・ギターの最重要パーツの一つですから、今それをはずしてしまうオーナーはいないでしょう。欲しい人が増えているのに供給は途絶えてしまったわけですね。

以前からコレクターの間ではその価値は認められていましたが、それでしか出せないトーンをもつこの貴重な音源は、今も求められている。それどころか、今は別世代のプレイヤーたちがそれを再発見する事も以前とは比べ物にならないほど増えている。これにはネット等の情報の影響も大きいでしょう。
こういったことを背景に、これまで何度かのビンテージ・ピックアップ回帰の波がありました。その中で市場に出る様々な製品もそのたびに完成度が高くなり、ピックアップもさまざまな種類が登場しています。その中には歴史やディテイルを研究し、かなり掘り下げたものもあります。ただ、そのアプローチの仕方は様々でメーカーの数だけ主張があるといっても間違いではないでしょう。
音色の良いものに価値を見いだし、それを作り出した過去のパイオニアたちに敬意を表する、という意味ではそれはよい傾向だと思います。良いものは未来に受け継がれるべきだと思いますから。
そういった動きの中で、なぜ今、私が特にビンテージ・タイプを選んでピックアップの製作を始めたかといえば、最初に申し上げたように、“世の中にいい音を増やしたい”、からです。そして、失われてまだ戻らない、足りない音がある、自分にはその音がわかり、それを作りだす事ができる、そしてそれを未来につなげる事ができる、という思いが強くなったからです。


岩撫氏: P.A.F.については、現在多くの異なる解釈があるように思います。私自身は今まで様々な現場で経験を積む中でその音を深く知る事ができましたが、現在ではユーザーがオリジナルP.A.F.の音に触れる機会が非常に限られています。一方でその希少性がかえって認知度を高め、評価も様々となった事で戸惑いを感じる方もいらっしゃるようです。
ギターソロを前面に押し出したロック・ミュージックの誕生と、ほぼ同時にギターを弾き始めたわたしにとって、P.A.F.はトーンの起源、原点としての大きな意味を持ちます。P.A.F.の大きな特徴はウォームさと共存するほど良いエッジ感、ピッキングに敏感に反応するタッチ感ですが、そのトーン、タッチ・レスポンスのふるまいは個体によって微妙にちがう部分があり、この個体差こそが奥深さ、魅力でもあります。自分の好みのP.A.F.が見つかると一気にプレイの幅がひろがるのですが、数が極端に少ないので、よほどの条件がそろわなければ個体ごとを比較検討して入手する事はむずかしいです。おそらく多くの異なる解釈はこの状況から出てきているのでしょう。


岩撫氏: そのような状況では一般的にはP.A.F.の音質が誤解されやすい点も多いと思いますので、それをクリアにするために、歴史やテクニカルという比較的ドライな観点からP.A.F. の本質を探ってみましょう。
まず基本的なアプローチとして、このピックアップには3つの重要な軸があると考えてください。
1つ目の軸は基本設計です。基本設計では、大きな特徴としてコイルが2つあり、下に配置されたマグネットが両方のコイルのポールピースに磁力を供給する構造です。電気回路的には直列逆相で組み合わされた2個のコイルで外界からの電磁ノイズをキャンセルする仕組みです。それでいてピックアップとして弦振動を拾う部分では、2つのコイルの磁極も逆になっているのでキャンセルされないという、素晴らしく巧妙なデザインです。そもそもの開発の目的はノイズキャンセルで、それがハムバッカーの通称の由来ともなっています。設計時の意図には強調されませんでしたが、2つのコイルが微妙に干渉しあうことで結果的にトーンは複雑となり、ここが非常に興味深い点です。
2つ目は製造工程とその変化です。設計でどれだけ細かく指定がされていても、現場では部材の変更やサイズの微調整が行われることが多くあります。設計はあくまで設計であり、製造過程での作業の難易度や効率、供給される部材の仕様や価格の変化に応じて調整が必要になるのは製造現場では普通のことです。設計通りにすべてが進むとは限らないため、現実的には現場の判断が求められる部分です。また時々には効率改善や品質向上のために製造手法や機械設備そのものにも大きく手が加えられる事がありました。製品が市場に流れ出す初期に特にこれらの事が多く起こるのは、業種を問わず現代にも通じます。
3つ目は経時変化です。市場に出回った製品は、時間が経つにつれて変化、変形し、それが合算されてトーンの変化となって表れます。例えば、使用されるマグネットの性質や、その他の部材の形状や寸法等が時間とともに微妙に変化しますが、それは確実に出音に影響を与えます。経時変化の影響のレベルは素材の材質や、部材の位置、使用された環境等によってさまざまです。
こうした時間軸による自然な変化はいわば『神様が変えた』部分なのですが、一方製造工程で起きたことは同じ時間軸の変化でも『人が関与した』部分です。どちらもP.A.F. から始まったハムバッカーの歴史や音の進化変遷を語る上で非常に重要な要素だと思います。

ここまででお話ししたように、設計、製造工程の変化、そして製品になってからの経時変化という3つの軸がからみあいながら、時間の経過とともに様々なハムバッカーのトーンを生み出していきました。P.A.F. が本格的に新製品として登場したのは1957年の事ですが、特に1950年代末にかけてのものに、ばらつきが多いという意見が出る理由はこれである程度わかってもらえたのではないか、と思います。同じ基本設計に基づいた製品でも、時代や個体によって仕様が異なることがあり、その変化は一気にジャンプして起きたのではなく、長い時間をかけて少しずつ積み重ねられた結果だ、ということです。
ところで、ここでばらつきという言葉が出ましたが、ばらつきといっても品質不良というレベルではなく、勿論当時の製品品質の基準はクリアしていたと思います。また、画期的な新製品だったのですからもともと厳格な基準、制限はなかったでしょう。当時の認識は、“ノイズキャンセルという機能に徹した結果良いものができた、トーンもそれまでのものに比べやや変わったが特に問題とするレベルではない”、というものであったと推測できます。機能を十分果たしていて、それ以上の厳格な仕様基準は求められなかった、ともいえるでしょう。そういうわけで、ここでいう“ばらつき”は、時間を経て様々なスタンダードが確立した今を基準として比較すると、という意味が含まれています。


岩撫氏: リファレンス、という意味では頭の中にあるいままで聞いてきた音源、ライブ、実際にひいたビンテージの音、リストアしたピックアップの資料等ですね。
元々はビンテージ・ギターのリストアの考え方からはじまっているので、わたしの基準はピックアップの実物です。ただ、実物には多くのバリエーションがあるので、一言でいえば『当たり』のP.A.F. です。といっても僅かな例外を除いては『はずれ』のP.A.F. というのは無く、その個体の個性と、機材やプレイ・スタイル、ギター上のポジションとのミスマッチでそう判断されることが圧倒的に多いです。ここでいう『当たり』というのは、現状ポピュラーな機材やプレイ・スタイルの中で使いやすいものの事です。
『当たり』のP.A.F. にもいくつか別のキャラクターのグループがあるので、“基準値“というものも、いくつかある事になります。P.A.F. の成り立ちには様々な要素がほぼ偶然に組み合わされた部分があり、それが直接個体差の原因となるのですが、『良い音』を手に入れるために”偶然“を待つわけにはいきませんよね。それを”必然“にするために『当たり』のP.A.F.のキャラクターをプレイのスタイルに合わせてグループ分けし、リファレンスにしています。


岩撫氏: 製造工程や材料の違い、そして製造後の経時変化が複雑に組み合わさって生まれた様々なトーン・ニュアンス、ピッキング・レスポンスのパターンを、いくつかの軸に分けてラインナップとしています。掴みどころがないと感じる方も多いビンテージ・ピックアップですが、このラインナップを作る時に心がけたことはその奥深さ、その中にある一定の法則、パターンを浮き彫りにし、プレイ・スタイルとのマッチングをしやすくする、欲しい音を見つけやすくするということです。
具体的には、当時使われた数種類のマグネットをキャラクターの土台として考え、そこにファイン・チューンしたコイルを絡めていく、という手法をとりました。
マグネットについて、もともとアルニコ磁石は鋳造で、その際砂型を使うので表面にざらつきが残ります。これを削って取り除いたものが今は一般的ですが、ビンテージ・ピックアップにはその鋳肌が残ったラフキャスト、と呼ばれるものが使われていました。独特のニュアンスを持ち、ヴィンテージ・トーンの土台となる部分なので、わたしはこのラフキャストをスタンダードとして使っています。
ビンテージ・ピックアップでは種類ごとの磁力にも“ばらつき”があり、これも見方を変えれば仕様の違い、ととらえる事ができます。そしてチューニングという点では種類にかかわらず磁力の調整は欠く事のできないポイント、とわたしは考えています。なぜかといえば、マグネットの磁力が弦振動のふるまい、特に高次倍音を作り出す部分に干渉するからです。磁力が強いほどその干渉の度合いは強くなるので、倍音を生かしたければ磁力をコントロールする必要があるわけです。やり方としては、いったんフル着磁してマグネット個体の性質を調べ、その後目的に合わせて磁力をすこしずつ落として調整をする、というものです。

コイルのチューニングにはいくつかのポイントがありますが、まとめるとワイヤーのゲージとコイルの巻き方の二つです。
まずゲージはAWG42、AWGはアメリカンワイヤーゲージ、42は線径を表しますが、同じAWG 42規格の中でもわずかに線径の違うものを数種類用意しています。ビンテージ・ピックアップの作られた時代には、規格の基準がいまほどタイトではなかったことも関係して、使われたワイヤーの線径にばらつきがありました。AWG42 の許容誤差の範囲ではありましたが、それが出音の“ばらつき”を生む要因の一つとなりました。ごくわずかな差といっても、一つのコイルあたり数千ターン巻かれた時には無視できない違いとなります。数種類を使い分けるというのはその微細な違いを、仕様としてコントロールしようというアプローチです。
巻き方、についてはコイルのターン数と密度のコントロールですね。これはビンテージ・ピックアップでは”ばらつき”がとくに多くみられる部分で、それは主に時期によるコイル・ワインダーの種類とその設定の違いから生まれたものです。ターン数の違いは一般に言われる出力の違いだけでなく、アタック感、音の太さ、伸び、輪郭等の違いとなってあらわれるので、そのコントロールは重要なポイントです。歴史的に見ると60年代初期以前のものにはターン数の”ばらつき”の傾向が強く、またその時期には組み合わせた2個のコイルにもそれが“ずれ”となって反映されているので、そこにも別の角度からのチューニング・ポイントがあります。
コイル密度の違いも “ばらつき”の要因の一つで、ターン数と共に”音の質感“に影響するので、わたしにとってはトーン再現にあたって、コントロールしなければならない仕様のひとつです。横方向ではボビン回転中にボビンの端からもう一方の端まで”ワイヤーを送った“とき、つまりコイル一層ごとのターン数、TPLを何回とするか、これで隣り合うワイヤーの間隔が決まります。縦方向では巻いているときにワイヤーにかけるテンションが上下の層の間隔に影響します。コイル全体として見ると、密度はこの二つが合算されたものとなります。
こういった様々な違いを“仕様“として実現するためには、まずそれぞれの要素を細かくチューニングできるコイル・ワインダーがどうしても必要となります。実際そういった理由から、今回ピックアップ製作を開始するにあたっての最初の仕事は、それができるようなカスタム仕様のマシーンを、新しく土台から設計して作る事でした。


岩撫氏: 製作を始める前の段階で、特に海外アーティストのライブコンサートや新しくリリースされたばかりのレコードなど、ロック・ミュージックがメージャー・ジャンルになっていく時期に当時のピュアな音源に直接触れることができたのは幸運でした。アーティストの動きを追うように自分も機材を変え、その体験から楽器がプレイ・スタイルを変える、という事にも気づかされました。
今までの長い時間をかけた研究とたくさんの歴史的資料、海外での資料集めや取材で得た情報と、生で触れた音源から培ったギタリストとしての感性からは私なりの独自の観点、アプローチが生まれます。
こうした事を背景とした私のピックアップづくりの姿勢は、ギター製作と同様、組み合わされる機材、プレイ・スタイルを考えながらディテイルを研ぎ澄ましていく、というものだと思います。


岩撫氏: ビンテージ・ピックアップの基本を大切にしながら、それが経てきた歴史を深く理解し、原点とその進化した姿を可能な限り正確に表現する。
それが私のビルダーとしての姿勢です。そのため、設計思想を根本的にいじることはしません。その思想を尊重しながら、新しい角度で価値を見出し、次の世代へと繋げていくことを心がけています。
基本となる設計は、セス・ラバーが手がけ完成したものですが、これは1パーツの域を超え、音楽にとってはヴァイオリンのストラディバリウスに匹敵するほど重要な遺産だとわたしは思っています。彼の設計から生まれたハムバッカーは音楽そのものに染みこんで一体となり、その進化に大きな影響を与えたからです。
ですからその設計を乱暴に変えることは、私の中では絶対にあり得ません。基本は基本として守り、その設計思想を壊すことなく、発展させて未来に繋げていくことが私の考え方で、役目だと思っています。


岩撫氏: そうですね、ギターをフィーチャーした新しいロックの立ち上がり時には、オーバードライブ・トーンとシンギング・サスティーンが必要でした。ブルースをベースとして始まったこのころの新しい音楽ジャンルとしてのロックには、繊細さと大胆さの共存する幅広い表現力が求められました。
そこではこのハムバッカー・ピックアップとマーシャル・アンプが大きな役割を果たしましたね。特に60年代中期、KT66からEL34にパワー管が変わってからのマーシャル・アンプのハードなトーンと、どちらかといえばソフトなトーンのハムバッカー・ピックアップとの相性は抜群で、そこからは多くの伝説的名プレイも生まれました。
勿論、フェンダー系アンプでもブリティッシュではピーター・グリーン、USA勢ではマイク・ブルームフィールド等が歴史的音源を残しています。私はそのころそのムーブメントに影響されてギターを弾き始めていたので、その歴史と共に歩んで体感できた、といった感じですね。
それからその間、様々なアーティストが機材を変えていくうちに演奏スタイルが変わっていくのも目の当たりにしました。
自分がプレイヤーだった時にも楽器によってフレーズやスタイルが無意識のうちに変わってしまうのを体験しましたから、ああ、それはそういうことだったのだな、と後でわかりました。ピックアップはあまり表面には出ませんが、ミュージシャンが自分のスタイルを確立する上で、とても大事な役割を果たしていたのです。

岩撫氏: オリジナルの設計思想や時代背景から理解する、という意味では初期も現在もコンセプトは同じですね。


岩撫氏: 確かにそういうユーザーは多くいらっしゃると思います。すでにある程度のレベルの音は出せるのだけど、もう一押し自分の好みに近づけたい、という方や、いろいろ試したけど好みの音に中々たどり着けないので何とかしたい、あるいは自分が理想とするカスタムな音が欲しい、という方々だと思います。
先ほどもお話ししたように、ギター本体、ネックや他のパーツを含むという意味ですが、それとピックアップ、プレイ・スタイルがマッチするのが理想形です。プレイヤーにとって無理のない、気持ちよく弾ける、表現の幅が広がる形、とも言えます。そういうユーザーの方々がその理想形に早くたどり着けるようにできる限りサポートしたい、というのが私の思いです。



プレイヤーのタッチに敏感に反応し、感情の動きを余すところなく表現するビンテージピックアップ。
オリジナルの優れた設計を土台としながらも、その数十年にわたる歴史の中では数多くの製造手法の変化がありました。またそれらの個体がギターに組み込まれて世に出た後も部材に様々な経時変化が起こり、実質的にはスペックが変わりました。ビンテージピックアップの大きな特長とも言える多くの個体バリエーションは、時の流れの中でこの二つのファクターが重なりあう事で生み出されていったのです。
そのバリエーションの中でも選び抜かれた数少ない個体は、その高度な表現力でプレイヤーと一体となり、多くの聴衆を魅了してきました。ビンテージ・ピックアップは単なるパーツではなく、ギタリストたちがミュージックシーンの歴史を切り拓いていく上での、必要不可欠な力の一つだったといっても過言ではありません。
トーンイズムでは、こうした認識の上で長年にわたって積み上げたビンテージピックアップの分析研究の結果に基づき、代表的なビンテージ・トーンを再現するモデルと、音作りのノウハウを生かしたカスタム・ピックアップを製作しています。



70 年代にギターのリペア、ビンテージのレストアで楽器業界でのキャリアを開始。80 年代にはその経験を生かして製作を開始。その後渡米して米国企業でのカスタム・ギター製作部門勤務を経て帰国。
米国ブランド輸入代理店のアドバイザーを務めた後、自身のギター・ブランドを立ち上げる。その間、ギター関連の雑誌にコラムを持ち、また楽器に関する専門書を執筆。米国で英語版も出版された。
2000 年代には再び米国企業に勤務、アジア圏を含めた多数の国を管轄するなど製作側ではなく運営側で販路の拡大に務めた。日本とアジア市場を統括した日本の子会社のトップとなり、十数年のキャリアを経て独立。長年の構想、研究の集大成ともいえるピックアップの製作、販売をトーンイズムとしてローンチするに至る。




