木と色の可能性に挑戦する 株式会社三泰 古畑裕也氏インタビュー

Vincita製品の塗装を手がけていただいているのは、長野県塩尻市に本社を構える老舗塗装メーカー・株式会社三泰(SANTAI)です。1920年の創業以来、100年以上にわたり木工塗装の技術を磨き続け、現在ではエレキギターの塗装・製造において国内屈指の実績を誇る存在となっています。

今回は、株式会社三泰の4代目代表取締役・古畑裕也氏にお話を伺いました。

伝統と革新が息づく、ギター塗装のスペシャリスト集団

長野県塩尻市に本社を構える株式会社三泰(SANTAI)は、1920年に創業した木工塗装の老舗企業です。100年以上にわたって受け継がれてきた伝統技術を軸に、エレキギターの塗装・製造を中心とした多角的なものづくりを展開しています。

三泰は、国内でも有数の技術力を持つギター塗装のスペシャリスト集団として知られており、国内外のブランドからOEM製造の依頼を受けるほか、自社ブランド「SANTAI」ギターの開発・販売にも力を入れています。また、伝統的な漆器塗りの技術を応用した「松本渓声塗り」など、木工塗装の枠にとらわれない新たな製品開発にも取り組んでいます。

さらに、三泰はギター以外の分野にも挑戦を広げています。ステンドグラスのような風合いを木材で表現した「ステンドウッド(STAINED WOOD)」シリーズのバングルなど、オリジナル商品の企画・製造にも注力。これらの製品は、美しさだけでなく職人の手仕事ならではの温かみを備えており、クラフトブランドとしての存在感を高めています。

4代目代表取締役 古畑裕也氏

伝統を守り、未来へつなぐ

こうした挑戦の中心にいるのが、4代目代表取締役の古畑裕也氏です。古畑氏は伝統技術を大切にしながらも、顧客の要望やイメージに寄り添ったオーダーメイド製品の開発を重視。また、職人同士が学び合う風土づくりや、現場に権限を委ねる経営スタイルを取り入れ、組織全体の力を引き出す改革を進めています。

さらに、地元・塩尻市に根ざした企業として、地域産業の発展や雇用創出にも貢献。木工塗装という伝統技術を次世代につなぎながら、地場産業の未来を見据えた経営に取り組んでいます。

木と色の可能性に挑戦する」というミッションのもと、三泰は今後も職人技術と創造性を融合させた独自のものづくりを続けています。伝統と革新を併せ持つその姿勢は、地域を越えて多くの共感と注目を集めています。

工場長 小林智氏

Vincitaブランドとの取り組みについて

古畑氏「どんな仕上がりにしたいのか、どんな色や質感がVincita製品の世界観に合うのか。そういったことをこれからもしっかり対話しながら、丁寧に製品づくりと向き合っていきたいと思います。」

“塗る”という行為にとどまらず、“表現する”という視点でギターと向き合う三泰の姿勢。その丁寧な対話と技術の蓄積が、Vincitaブランドに新たな個性を与えてくれるに違いない。

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